奥田 英朗 『最悪』
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作成日時 : 2007/11/13 23:42
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講談社 奥田 英朗(著) 発売日:2002-09 おすすめ度: 
不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化。
『最悪』というタイトルだからこそ、話が進んでいくにつれて泥沼化していくんだろうなぁと思い読み進めていきましたが、登場人物がごく普通の一般の人であり(和也はちょっと違うけれど)、彼らが普通に生きているだけなのにどんどん不幸になっていく様が非常にいたたまれなく、読んでいるこっちとしても物凄く辛くなってきました。なによりも、その不幸っぷりが最後には解消していくとか、みんな笑って大団円を迎えるとか、そんな状況はどうにも想像付かないのも辛さの一因ですかね。
それにしても、その不幸に陥るポイントというのは、傍で見ているとよくわかります。もちろん、これは小説なので大事な伏線として随所にこのポイントがあるわけですが、「そこでその選択をしちゃうと…」とか「信じるな!」とか、思えてしまいます。しかし実際にその当事者になってみると、そんな冷静な判断ができない。特に中小工場の社長については、不幸から逃れるための選択肢があまりにも少なく、本当にやるせなくなってしまいました。銀行によって貸しはがしに合い倒産してしまった多くの工場も、こんな感じだったのかなぁと。うーん。
とはいえ、最後まで読みきった後の感想は「最悪」とは程遠いものだったので、ぜひ機会があったら読んでみたらどうでしょうか。
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